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あやせのMILU日記
タイトル 【わかりやすい】粉体塗装とは?【解説】   おすすめ(2) 2023-04-18 18:47:19

ある日記で『粉体塗装』なる単語が出てきてたので

元業務用塗料問屋営業の私が極めてわかりやすく説明しましょう。

普通の塗料は顔料や染料で色味を決定して、定着用の樹脂などの調整剤を加えて

水や有機溶剤などで希釈して塗装します。

粉体塗装の場合、全く異なる製法で生産されます。

希釈する直前までは同じなんですが、一度硬化させて粉砕します。

小麦粉とかと同じレベルかそれ以下の粒子にします。

で、これをエアブラシで吹き付けるんですが、ただ吹き付けただけじゃ

オチてしまいます、粉ですから。

ここで対象物に静電気を纏わせます。

これを『静電処理』と言って粉体塗装では最需要工程です。


この静電処理は樹脂製品にメッキ処理を施す際にも行われます。

ライトの反射板とかに使われてますね。

あれは静電処理した対象物に 真空内で蒸気状に処理したアルミを定着させます。

この作業を『蒸着』と呼びます。

そう!宇宙刑事ギャバンのソレです。

・・・閑話休題。


塗料の微粒子を纏わせた対象物は そのままでは触れば取れてしまいますので

熱処理を施します。

薄く製品にまとわりついた塗料扮を熱をかけて溶かし、被膜化します。

粉体塗装が何故塗膜の中で最強だと言われてるか、この被膜化に答えがあります。

通常、溶剤を加えて塗膜を生成すると塗ったあとで溶剤成分が蒸発しますよね?

きれいに仕上がった塗膜表面を顕微鏡などで見ると無数の細かい穴が開いてるんです。

溶剤が蒸発したあとなんですね。

この穴から空気や水分が侵入して塗膜や下地を侵食します。

乗用車とかで再塗装した場合、ミラーコートやワックスで表面保護しないと

紫外線や雨などで数年すると塗膜や下地がやられます。


粉体塗装は塗料扮を溶かしてコートするので表面に穴は存在しません。

しかも塗料に加える添加物で塗膜の強度を飛躍的に高めることができます。

故に粉体塗装は熱や薬品に強く、また経年劣化にも強いのです。

しかも弾かれたり飛び散ったりした塗料扮を回収して再利用できるなどの

メリットもあり、最強と言われるわけです。

ただしデメリットもあります。

静電処理→吹付け→焼付→常温化 と工程が多く、使う機材も大掛かりになるため

初期コストやランニングコストが半端なくかかります。

もちろん、設備が大規模になるのでそのスペースも確保しなければなりません。

町中ではまあ無理ですね(^^;。


みなさんが使ってる家具や什器で粉体塗装のものがありましたら

それはそれなり以上の規模で生産されたもの と思って間違いありません。

表面硬度も高く、熱にも強い。

きちんと手入れして使っていけば長く役に立ってくれると思いますので

末永くご愛用していただけると幸いです・・・あ、もう私はそっちの人間じゃないやw


たまにやる長々解説シリーズ、今回は『粉体塗装』についてでした。


カテゴリ:その他 > その他
コメント(1)
hirune 2023-04-18 20:18:36  
ふむふむ!
うちは食洗機を使ってるので、箸や漆器も食洗機可なモノを選んでるわ
そいうのも・・その塗装なのかな??
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