とある神社へ初詣にいった帰り道、お昼近くになっていたのを腕時計を見て確認した私は、神社からまっすぐ伸びる参道沿いにある商店街を歩いていてふと目に入ったこじんまりとした食堂が目に入った。
「お昼かあ。そういえばお腹すいてきたなあ。せっかくだからお昼でも食べようかな」
お店の看板には「食堂 ひとみ」と書かれてあった。看板を含め外観が昭和時代のレトロな雰囲気を思わせるその店になぜか興味を持ったのだった。
入り口は引き戸。開けて入ってみるとますます昭和感覚満載のお店。一目で気に入ってしまった。
ただ、留守なのだろうか、人が見当たらない。
私:「ごめんくださーい」
・・・
(いないのかな?)
「ごおおめええーんくださあああーい」
ひとみ:「あいあいあいあい、おきゃくさんかい。どうも初めまして。ひとみと申します。今年71になり・・・」
なんか人懐っこそうな老婆が、店の奥から出てきた。
私:「そうですか(^^;) あのお、お冷いただけますか?」
ひとみ:「あーおきゃくさん、うちは食堂だけど、おじやはおいてないのよ」
私:「おじや?・・・お・ひ・や、お水です。すみません、お願いします。」
ひとみ「あーお水ね。最近耳が遠くなって、よく聞こえないだーね。おひやとおじやは違うよね?」
私:「そうですね」
ひとみ:「でも意味は一緒だーね?お客さ・・・」
私:「違いますよ(^^;)」
ひとみ:「あー冗談w。つい昔の癖が・・」
私:「そうですか。」
(そんな癖なんだろ・・・?)
ふと店の片隅を見ると、「ドリンクバーあります」と書いてあった。食堂でドリンクバーがあるところも珍しい。
私:「ドリンクバーってありますね。珍しい。あ、それじゃあオレンジいただこうかな。」
ひとみ:「どうぞー。私も大好きで、趣味でね。年も近そうだし、カメラ持って夫婦で仲良さそうに。長いよねあのふた・・・」
私:「はい?、何の話ですか?私はドリンクの話してたんですけど・・」
ひとみ「ン、あーお客さんすみませんねー。ドピンクっていうもんだら、てっきり林家〇ー・〇-子かと。」
私:「いや、ドリンクとは言いましたけど,ドピンクとは言ってないです。」
ひとみ:「ドリンクとドピンクは違うよね?」
私:「はい」
ひとみ「でも字は一緒だ・・・・」
私:「違いますってww」
ひとみ「あ-ごめんなさいねー。じゃあ、注文を・・・・」
・・・・
とまあ、この後無事にお昼を済ませることができたのですが・・・あの婆さん、本当に耳が遠いだけなんだろうか?
何となくわざとボケをかまされたような気がするんだけど(^^;)
ま、いっか。また来てみよw
P.S. 作者より:
SS一切ない長文日記(?)、読んでいただきありがとうございましたm(_ _)m
これからも懲りずにネタ考えます( ̄▽ ̄)