https://yamaplan.exblog.jp/23019943/
一番目【雪には断熱効果がある】
サラサラの雪は、水と比べて10倍から20倍に体積が膨張します。すごく締め固まった雪でも3分の2は空気です。フワフワの雪の結晶の中に沢山の空気が含まれていることになります。これは断熱材の構造そのもの、グラスウールもスタイロフォームも「沢山の空気を含ませること」で断熱効果を高めます(空気は水に比べ25倍近く熱を伝えにくい)。屋根に載っている雪は断熱材の役割を果たしているともいえます。外気温がマイナス5度の真冬に、屋根の上に雪があるのと無いのでは、屋根からの熱の逃げ方が違ってきます。雪があるほうが省エネになるのです。
スキーヤーの三浦雄一郎さんが雑誌(たしかスキージャーナル)に書いていた記事が記憶に残っています。「雪はそのほとんどが空気なんだ。だからスキーは雲の上を滑っているのと同じなんだ、楽しいんだ!」
二番目【雪には保湿作用がある】
「八戸の風は寒い」「八甲田おろしは肌に刺さる」「雪が降るとかえって暖かく感じる」これらの体感は雪の保湿作用を具体的に表現したものです。冬期間、太平洋側の空気は乾燥し肌に刺すように冷たく感じられます(人間にとって快適な湿度は冬季40%~60%)かたや、津軽地方は雪のおかげで湿度が高めの状態となり【刺すような感じ】は無くなります。この保湿力は外気が室内に取り込まれた際、室内の乾燥を和らげることが出来ます。人間は同じ気温でも湿度が高ければ暖かく感じます。湿度が上がることで室温を低めにできる=省エネ となります。
三番目【雪は重い】
雪には断熱効果・保湿作用もあり恩恵も多いのですが、建築構造の観点からすると【重い】です。建築基準法の構造計算に使う重さは1平方メートルに1mの雪が積もると(=1立米)300kgです。青森市の積雪量(構造計算で採用する積雪量)は1.8m、1平方メートル当たり540kg 重いです。それに耐えうるような部材を使うわけですが、雪は片寄って積もったり、落雪したり、氷になったり、雪庇(=セッピ)が張り出したりと悩みも尽きません・・・尽きませんが、雪と上手に付き合っていく知恵を私たちは持っています。雪の特性を理解し、共生して参りましょう。
雪で覆えば家がかまくらに!?12月は雪断熱の効果であったかハウス
https://permaculture-lab.com/2024/04/09/yukidannetsu/
雪が降るたびに淡々と家に雪を被せていくだけなのですが、コレをするのとしないのとでは大違いなんですよ。
床下の冷気も、隙間を通り抜ける様なヒヤッとした寒さもコレでピタッと止まります。
降り始めたらまずは床下の風が通るあたりを埋めます。
これだけでもだいぶ違います。
食料保存にも関わります。
雪下の埋めた野菜たちも、根雪にならないまま気温が下がっていくと、凍り始めます。
雪がここでも断熱の役割をしてくれているのです。