https://gigazine.net/news/20240214-windows-11-24h2-unsupported-unbootable/
Microsoftの開発するPC向けOS「Windows 11」にはWindows 10よりも高いシステム要件があります。しかし、このシステム要件さえクリアすれば、古いハードウェアであってもWindows 11を実行可能です。実際、サポート対象外であってもWindows 11を起動することは可能だったのですが、Windows 11の次期最新安定板となるバージョン24H2では、一部の古いPCが「サポート対象外」から「起動不可」に変わっていることが明らかになり話題となっています。
これまでWindows XP時代のCPUであるIntel Core 2 Duoを搭載するような古いPC上でも、サポート対象外のWindows
11を起動することは可能でした。しかし、2024年2月に入って配信されたWindows
11のバージョン24H2のプレビュー版では、これまで「サポート対象外」となっていた古いPCが「起動不可」に変わっています。
Bob Pony氏によると、Windows 11のバージョン24H2は「POPCNT」と呼ばれる命令をサポートしていない古いCPUでの起動が拒否されます。
プログラマーのVaibhav Sagar氏によると、「POPCNT」は「population count」(人口カウント)の略で、機械語のビット数を数えるために使用されるものです。
なぜ「POPCNT」が多数のWindowsコンポーネントの負荷を担うCPU命令になったのかは不明ですが、Windows
11のバージョン24H2では、「Windowsカーネル」「システムのUSBおよびネットワークドライバー」「その他コアシステムファイル」がこの命令を必要としている模様。
最新の
x86では「POPCNT」が
SSE4命令セットの一部として実装されています。Intel製チップの場合、2008年に登場したオリジナルの第1世代Coreアーキテクチャで、SSE4.2の一部として「POPCNT」が最初に実装されました。AMD製チップの場合、2007年に登場した
AMD K10を採用したPhenom、Athlon、SempronといったCPUで、SSE4aの一部として「POPCNT」が最初に実装されています。
つまり、上記のCPU以前のCPUであるIntel Core 2 Duoや、初期のAthlon 64を搭載している古いPCでは、Windows
11のバージョン24H2を起動することができなくなるわけです。ただし、これらの古いPCでWindows
11を起動していたのは「『古いデバイスにWindows
11をインストールしてみたのでどんな風に動作するのか見てみましょう』といった動画をYouTube上に投稿するレトロPC愛好家くらいです」と海外メディアのArs
Technicaは指摘しています。
Windows
11のシステム要件は、CPUのクロック速度、PCに搭載されているメモリ(RAM)およびストレージ(ROM)の量などで示されていますが、実際はより難解なものとなっています。例えば、Windows
11のCPU要件は「第8世代Intel Core CPU以降、またはAMD Ryzen 2000シリーズ
CPU以降」ですが、少なくとも部分的に「モードベースの実行制御」(MBEC)
のサポートによって駆動されているように見える模様。つまり、CPUメーカーがマーケティング資料に記載していないPOPCNTやMBECのサポートの有無が、最新のWindowsを起動できるか否かを左右しているわけです。
Windows10でも第3世代CPUはもうサポートされなくなっているようです。
Windows10が最初からインストールされている第5世代CPUからしかサポートされていないようです。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows-hardware/design/minimum/supported/windows-10-22h2-supported-intel-processors
一部の古いPCが「サポート対象外」から「起動不可」に変わっているのは7月からWindows10でも行われていると思われます。
これではアップデートをずっと止め続けるしかないけどどこまでできるのかと思います。