https://blog.goo.ne.jp/harunakamura/e/f872f7d85114b60b36a7bfe2712f3868
日経に、
「百貨店など相次ぐ閉鎖 増税、大編成の号砲か」と、その記事の隣に
「持ち帰り・宅配「中食」急拡大 消費税10% 吉野家・出前館で顧客増 小売りは総菜増やす」
と言う記事が掲載されていた。
消費税10%の影響を反映した記事のようだが、本質は、リアル店舗の益々の衰退退潮である。
ところで、まず、リアル店舗の退潮だが、ICT革命によって不死鳥のように生まれ出でた、アマゾンや楽天の目を見張るような大躍進を見れば、もう、リアル店舗の敗退は自明であって、勝負がついている。
アマゾンが逆に、リアル店舗を展開して、相乗効果を策していることを考えれば、そして、ウォルマートが、リアル店舗を魅力化してネットショッピングとのコラボレーションで新戦力を打ち出して起死回生を図っているように、デジタル革命によってビジネス環境を大きく改変成長して行く文明の利器を、如何に活用するかが、企業の帰趨を征する状態になっている。
最近は、行っていないので、状況は分からないが、20世紀の世紀末に向かうにつれて、欧米の百貨店が、どんどん、退潮傾向を進めて衰退して行き、閉店に至る店舗があったのを見てきた。
これは、ネットショッピングの影響ではなく、大型ショッピングセンターやスーパー、そして専門店などの台頭など小売り産業のビジネス構造が大きく変革した時期で、どちらかと言うと、高級志向の何でも店の百貨店が、時代の潮流にそぐわなく成ったのである。
とにかく、小売業のビジネス環境の変化、それに、対応したビジネスモデルの変革の激しさは、驚異的な速度で進んでいて、回し車のハツカネズミのように走り続けなければならないのである。
さて、少子高齢化社会が、どんどん、進化するにつれて、果たして、小売り産業はどう変わって行くのか。
まず、百貨店だが、膨大な余剰金融資産を持っている高齢者が、購買者として、需要を喚起することが出来るのかと言うことだが、これは、殆ど望み薄だと思っている。
有り余ったお金を有効に活用して、これまで以上に高級な実り豊かな生活をしようと、高額な高級品を求めて百貨店に向かう老齢者もいるであろうが、一般的な老齢の消費者は、更なる消費を求めて、今まで以上に、百貨店を必要とするとは思えないので、まず、少子高齢化と人口減によって、百貨店需要の退潮は必然であろうと思われる。
もう一つ、先に言及したように、百貨店に行かなくても、ネットショッピングの利便性や魅力の向上は驚くべき程で、夫々のサイトにアプローチすれば、ロングテールで、欲しいものは、どんなものでも、あらゆるものがサイトに現れて、価格コムなど比較サイトを叩けば、最安値店舗が表示され、その信用度などが購買者の評価コメントで分かるようになっており、返品やクレームなど、アマゾンなどでは、電話すれば瞬時に対応してくれる。
それに、最近では、何でも揃う筈の百貨店の百貨は名ばかりで、ない物が多すぎるのである。
最近では、リアル店舗に行くよりも、ネットショッピングの方が遥かに多くなっており、日曜雑貨や飲料など大型の嵩ばむ商品などコモディティ商品は、殆どネットで調達しており、食料品などの調達の多くは、定期的なコープなどの宅配を利用している人もいるので、リアル店舗へ行くことは、どんどん減っている。
百貨店などの一般の小売店にしても書店などにしても、リアル店舗には、消費者が行って楽しめる環境なり、人を惹きつける魅力なり、物語を紡げる斬新な喜びを味わえるような場が提供されなければ、集客に成功するとは思えない。
劇場やコンサートホールに人が集まるのは、当たり前だと考えられているが、決して、特別ではなく、リアル店舗も、ウインドーショッピングのみならず新しい物への出会い、人生をより豊かにする筈の買い物の喜びを提供してくれるわけであるから、正に、条件さえ整えば、人間の創造の世界であり、生き甲斐を与えてくれる場なのである。
尤も、門外漢の私には、どうすれば良いのか分からない。
ネットショッピングに、市場は、どんどん、蚕食されて行くであろうが、外出してショッピングを楽しみたいという人間の強い要望が消える筈がなく、益々昂じる筈なので、リアル店舗の魅力は衰える筈がないので、起死回生の道は、いくらでもあると思っている。
https://www.netimpact.co.jp/network-future/22340/
アメリカの小売業のシンボルだったシアーズが、破産しました。
7年間も連続の赤字が続き、閉店や、資産処分などコストカットを存続してきましたが、ついに破たんしてしまいました。
2018年3月の米トイザラスがに続き、大手小売業が倒産が続いています。
シアーズと言えば
シアーズと言えば、戦後、日本の小売業がモデルにしたアメリカの小売業のシンボルともいえる企業です。
イトーヨーカ堂、イオン、ユニーや、倒産してしまったダイエー、マイカル、長崎屋などの日本のGMSは、シアーズをモデルにして誕生しています。日本のGMS・百貨店の目標だったシアーズの倒産は、日本の小売業界にも大きなインパクトがあると思います。
シアーズ倒産の要因は?
シアーズ倒産の要因としては、日本のGMSと同様に商品開発力が競争相手と比較して低い事だと思われます。
価格競争力がある買いたいと思う商品が開発できなかった事だと思われます。
日本でも多くの百貨店やGMSが、アメリカと同様に、倒産したり、閉店を続けたりしてます。生き残ったユニー、イトーヨーカ堂、イオンの未来は、どうなるのでしょうか?
トイザラスとシアーズの共通点
トイザラスとシアーズの衰退の共通点として、アマゾンに代表されるネットショップに顧客や売上を奪われた事があると思われます。
シアーズ、トイザラスの販売する商品は、オリジナル商品や食品と言ったネット販売と競合しにくい商品群が少なく、ネットショップで扱いやすいカテゴリーの商品やナショナルブランドを多く販売しており、ネットショップと完全に競合しています。
アメリカで先行する実店舗の閉店と破産
トイザラスとシアーズはシンボリックなニュースですが、アマゾンなどの仮想店舗の売上比率が高くなったアメリカでは、大手・中小に関係なく多くの実店舗が閉店や破産に追い込まれているそうです。
今後、数年で、店舗面積の10%、総面積では、3300万坪が無くなると予想されているそうです。
ネットとの競争が激しいアメリカでは、日本より早く、いつまで続くか分からない小売業の閉店時代を迎えているようです。
今のアメリカの実店舗の衰退は、やがて日本でも時間差こそあれ起こる現実と思われます。