こんにちわ。
案外、家にいるときはエアコン無しでもいけちゃう今日この頃。
夏といえば怪談ですねえ。鈴木光司の小説「リング」は、発売されたころ読んで
気味が悪すぎて、すげーと思ったことを覚えています。基本、僕は怖いのは嫌いです。
ちょっと変わったお話を思いついたのでお付き合いください。
「ついうっかり」
ちょっとはすまなかったと思ってるんだ。ついうっかりってこともあるよね。
まあ、普段からちょっとは先輩のことを妬ましく思っていたけれど。
こうみえて僕だって名手とか天才だ、なんていわれてこのあたりじゃちょっとした有名人なんだよ。
でも目が不自由だからって同情を集める分、先輩の人気のほうが方が上。
普段から上司も、彼をちょっとひいきしていると思う。
事故のすこし前、先輩と僕は上司に妙な仕事を命令されて従ったけど、
先輩だってすこし迷惑そうにしていた気がする。
だからってわけじゃないけど、あそこだけついうっかり忘れてしまったんだと思う。
まさかこんな事故になるとは思ってなかった。
でも、これで先輩はもっと有名になるだろうし、気の毒だとは思うけれどちょっと悔しい。
ところで、このところ僕は毎晩、きれいな女の人に誘われて演奏に出かけている。
どこだかわからない場所だけれど、大勢集まってくれていて、みんな僕の演奏に感激して
涙まで流してくれる。そういうのって悪い気分じゃないね。
そのせいか夜更かし続きでなんとなく身体がだるい。
上司に「お前顔色悪いけど大丈夫か」なんていわれたけど、
演奏会のことは誰にも言わないようにと約束しているから、上司にも内緒。
芳一(ほういち)先輩のことは不思議な事故だけれど、
僕が耳だけ経文書き忘れたこととは関係ないと思うな。あんなの迷信でしょ?
今夜も琵琶(びわ)の演奏会、がんばらないと。