相続人がいない場合、被相続人の財産を誰が管理するのでしょうか。そんな時に選任されるのが、令和5年の民法改正で新たに制度化された「相続財産清算人」です。この動画では、相続財産清算人の役割や選任プロセス、なれる資格要件などについて詳しく解説しています。相続人不在の際の財産管理をめぐるトラブルを防ぐため、相続財産清算人制度の重要性が高まっています。この新しい制度の内容を、わかりやすく説明しているので、相続の全体像を理解する良い機会となるでしょう。
施行日 2023(令和5)年4月1日
令和3年12月14日(火)定例閣議案件
民法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(決定)
https://www.kantei.go.jp/jp/kakugi/20...
対象となる人
家庭裁判所に対して相続放棄の申述申立てを行った、相続財産を現実に占有している相続人。
現に占有って?
被相続人名義の建物に住んでいる(下の土地も占有)、通帳を持っている、家具や遺品を持っているなど。
観念的承継は含まないって?
→被相続人名義が、自己名義の畑を耕していた場合、そのことは知っていたけれど、行ったことはないとき、など。
改正の効果
・次の順位の相続人が存在しない場合にも適用される。
・相続放棄の時点で、相続財産に属する財産を現に占有している人だけが、保存義務を負う。→相続放棄をした他の相続人は、義務を負わない。
相続財産の保存義務を負う相手方
他の相続人、相続財産の清算人。
→近隣の人や、自治体からこの条文を根拠に責任を問われることはない。
管理義務が終わるとき
・他の相続人、相続財産の清算人への引渡したとき
改正の影響
・相続財産の清算人の選任請求(民法952条)の促進の可能性。
法務省 「民法等一部改正法・相続土地国庫帰属法の概要」【令和4年11月28日掲載】
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_0...
民法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?la...
改正前
(相続の放棄をした者による管理)
第九百四十条 相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。
2 第六百四十五条、第六百四十六条、第六百五十条第一項及び第二項並びに第九百十八条第二項及び第三項の規定は、前項の場合について準用する。
改正後
(相続の放棄をした者による管理)
第九百四十条 相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第九百五十二条第一項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。
2 第六百四十五条、第六百四十六条並びに第六百五十条第一項及び第二項の規定は、前項の場合について準用する。
「私は農業はしないのですが、親の田畑を相続することになりました。農業をしない場合の対処法はあるのでしょうか?」
「放置してしまうと問題なので、主な対策を3パターン紹介しますね。」
今回は、相続人が不存在になった場合のお話をしております。
相続人がいて、遺産分割協議や遺言により財産の帰属を決めることが多いのは確かですが、相続放棄等がなされることにより、相続人が不存在となることもありえます。
その際の財産の行方であったり手続きのお話をしております。
相続財産管理人の選任や業務概要、特別縁故者や、近隣制度である不在者財産管理人、失踪宣告等にも触れながら、相続人がいない場合どうなるか、どうしていくべきか等を知っていただくことができると思います。