https://www.itmedia.co.jp/fav/articles/2303/07/news144.html
4月1日から、自転車利用者の全年齢でヘルメット着用努力義務化が実施されます。それに伴い、自転車用ヘルメットの需要が大きく高まっています。しかし、特に安全性の高いヘルメットはそれなりの金額になるものが多いため、購入を先送りにしてしまうケースもあるのではないでしょうか。
努力義務とは、法律の条文で「~するよう努めなければならない」「~努めるものとする」などと規定されている内容を指します。法的拘束力はなく、違反しても刑事罰や過料などの制裁を受けることはありません。ただしまったくリスクがないわけではなく、例えば努力義務違反により第三者が被害を受けた場合などは、行政からの指導や損害賠償請求などを受ける可能性があります。
また、ヘルメット着用と非着用では致死率に2倍以上の差がある(出典:警察庁)ことから、安全のためにヘルメット着用が重要であることを実感できます。
数千円程度の補助金が出ることが多い
自転車用ヘルメットの購入費に対して、補助金を出している自治体があります。自治体ごとに金額や条件は異なっているので、住んでいる地域の自治体ホームページなどをチェックしてみてください。
例えば東京都足立区では3月10日から、自転車用ヘルメット着用促進キャンペーンの一環として、購入助成事業を実施予定です。安全基準を満たした3000円以上の自転車用ヘルメットが、2000円引きで購入できるとのこと。補助金制度のある自治体の多くが、数千円程度の支援を行っているようです。
なお、ヘルメット以外にも子供乗せ電動自転車などの補助金を出している自治体もあります。電動自転車の場合は、最大で数万円程度受け取れるところもあるので購入を検討している人は要チェックです。
基本的に、安全基準を満たしたヘルメットが対象
多くの自治体では、安全基準を満たした自転車用ヘルメットが補助金制度の対象です。自転車用ヘルメットにはいくつかの安全基準マークがあります。例えば目にすることの多い「SGマーク」は、一般財団法人製品安全協会が定めた、安全基準・製品認証・事故賠償が一体となった制度。SGマーク付き製品の欠陥により人身事故が起きた場合、同協会が損害賠償金を支払います。
そのほかよく見るものとして、「CEマーク」があります。「CEマーク」は、すべてのEU(欧州連合)加盟国の安全基準を満たす製品に付けられる基準適合マークです。そのため、EU加盟国で製造されたヘルメットによく見られます。
補助金制度を利用するためというのはもちろんですが、より安全性を高めるために、安全基準を満たした製品を選ぶと安心ですね。
チェックしておきたい注意点
ここからは、安全基準以外にもチェックしておきたい条件や注意点をまとめました。補助金を受け取れる条件に当てはまるかを確認した上で購入するようにしましょう。
対象年齢をチェック
自転車ヘルメット補助金制度の対象を、子供や高齢者に限定している自治体もあります。全年齢での着用努力義務化に伴い、今後対象年齢が拡大する可能性もありそうですが、現時点では対象年齢を定めているところが多い印象です。
申請方法はさまざま
領収書をもらって後から申請する場合や、購入前に申請して割引券をもらう場合など、自治体によって申請方法はさまざまです。また、対象となる購入店舗や購入時期を限定している場合もありますので、事前にチェックしておくことをおすすめします。
対象期間も要確認
補助金制度を利用できる期間は、自治体によってばらつきがあります。すでに終了している自治体もあればこれから始まる自治体もあるので、まずは住んでいる地域の自治体ホームページを確認してみてください。
オートバイのヘルメット着用も努力義務から始まった
https://www.itmedia.co.jp/fav/articles/2302/23/news029.html
歴史を振り返ってみると、実は同じ二輪車のオートバイ(モーターサイクル)も、今でこそノーヘルで走っていると乗車用ヘルメット着用義務違反の対象となりますが、ここに至るまでの道のりは段階的だったのです。
オートバイにおけるヘルメットの着用義務がスタートしたのは1965年のこと。最初は高速道路のみで、罰則のない努力義務でした。その後段階的に規制強化が進み、1986年には全てのバイク・道路で完全に義務化されました。この背景には、オートバイ人口の急増および死亡事故の増加があります。自転車についても、努力義務だけで一定以上の効果が見られなければ罰則ありに変わる可能性があることを、オートバイの歴史が証明しています。
前かごに置きっぱなしは盗難の恐れも
ヘルメットは、自転車に乗るとき以外は邪魔になります。通勤・通学や買い物などでシティサイクル(ママチャリ)を利用している人なら、前かごに入れておけばいいと考えるかもしれません。屋根付きや地下の駐輪場であればそれでもいいのですが、そうでない場合、雨が降ってきたときに内装のスポンジがぬれてしまいます。
また、前かごに入れたままだと盗まれる可能性もゼロではありません。ビニール袋で水ぬれ対策をした上で、ワイヤー錠などで自転車のフレームや荷台にくくり付けておくと安心です。
専用のバックパックを利用する
前かごのないクロスバイクやロードバイク(スポーツサイクル)の場合はどうでしょうか。スポーツサイクルに乗る人は、すでにヘルメットを常用していることが多いです。こうした人たちは、コンビニに立ち寄るなど少しだけ自転車から離れる場合は、ハンドルバーなどに顎ひもを通してぶら下げておくか、かぶったまま入店します。
長時間離れる場合は、ママチャリと同様にワイヤー錠などでフレームにくくり付けてもいいのですが、塗装面に傷が付く恐れがあります。やはりベストなのは持ち運ぶことでしょう。自転車用ヘルメットの重さは300g前後。およそ卵5~6個分に相当します。オートバイ用のフルフェイスヘルメットは1.5kgを超えますので、それと比べると重くはないですが、荷物としてはかさばります。
そこでおすすめなのが、バッグ本体の外側にヘルメットが取り付けられる、専用のバックパックを利用することです。これならメイン収納部の荷物が満杯でも、ヘルメットを問題なくホールドできます。また、ヘルメットホルダーを標準装備しているバックパックは、自転車特有の前傾姿勢を考慮した設計になっている製品が多いです。そのため、背負って走ったときのフィット感や背中の蒸れにくさが、一般的なバッグとは格段に違います。
ヘルメットホルダーを取り付ける
わざわざ専用のバックパックを買うのはちょっと……という人には、ヘルメットホルダーだけを用意するという方法を紹介します。汎用品なので必ずしも全てのバックパックに取り付けられるとは限りませんが、ストラップを追加するなどの工夫次第で使えるようになるでしょう。
なお、カラビナなどでバッグからぶら下げている人もいますが、混雑した街中や公共交通機関では邪魔になりやすいです。また何かの拍子にぶつけて衝撃が加わると、ヘルメットとしての保護性能が低下してしまうので、あまりおすすめはできません。
ヘルメットの定期的な洗濯も忘れずに!
ヘルメットは帽子などと同様に、かぶり続けていると汗や皮脂で汚れます。特に暑い夏場は臭いが気になることも。製品によっては内装(パッド)を取り外して洗濯できるものがあるので、定期的に洗うことをおすすめします。
ヘルメットを丸洗いしてしまう人もいますが、深部に浸入した水分により劣化するため、推奨していないメーカーもあります。必ず取扱説明書を確認した上で判断するようにしてください。