https://www.mcsg.co.jp/kentatsu/kaigo/7919
在宅介護に限界を感じた際に頼りとなるのが介護施設です。
しかし、介護施設であっても病状や条件によっては受け入れ拒否をされてしまうケースもあります。
介護保険法などの規定では正当な理由がない限りは受け入れを拒否してはいけないとされていますが、医療体制や環境面から対応できないこともあります。
もし入居にあたって不安要素がある場合には、事前に介護施設での受け入れ拒否となるケースを把握しておくことが必要です。
以下、介護施設が受け入れ拒否をする可能性のあるケースについてお伝えします。
施設の入居基準を満たしていない
前述の通り、介護施設は正当な理由がなくては受け入れ拒否をしてはならないとされていますが、施設の入居基準を満たしていない場合にはそもそも入所できません。
対象者が希望施設の入居基準を満たしているかどうかは、事前に確認しておく必要があります。
いざ、申し込みに行っても入居基準を満たしていなければ申し込みすら受け付けてもらえない可能性があるからです。
介護施設の入居を希望する場合に確認しておくべきことは、介護保険制度によって受けられる要介護認定の度合いです。
とくに以下の施設では要介護度による条件が定められています。
- 特別養護老人ホームは要介護3以上
- 介護老人保健施設は要介護1以上
- グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は要支援2以上
また、グループホームや地域密着型の介護施設の場合には、入居希望者の住所と施設の所在地が同一市町村でなくては入居できません。
こうした入居基準は全国共通のものになりますが、介護施設ごとに定められている要件もあるため注意しなければなりません。
たとえば、以下のような要件があります。
細かい要件については実際に説明を受けないと確認できない部分もありますが、基本的な要件に関しては事前に確認しておくことで受け入れ拒否となる可能性を回避できます。
常に医療行為が必要である
介護施設はあくまでも日常生活動作における介護サービスを提供する場所になるため、常に医療行為が必要な方は受け入れ拒否となってしまうこともあります。
なかには、医療機関と併設している介護施設や、介護老人保健施設のように医師や看護師が施設内に常勤している介護施設もあります。
しかし、介護施設のほとんどが医療行為への対応は難しいため、医療行為が常時必要になると受け入れ拒否となる可能性が高いです。
とくに夜間帯に看護師がいない施設では、在宅酸素の対応、尿を溜めるバルーンカテーテルの留置、頻回な喀痰吸引(サクション)、常時点滴などの対応ができません。
入居希望者がなんらかの医療行為を行われている場合には、施設で対応してもらえるか早いうちに確認しておくことが重要です。
感染症を患っている
感染症を患っている場合にも介護施設から受け入れ拒否されてしまう可能性があります。
感染症を患っている方が入居された場合、他の入居者へ感染が広がってしまったり、感染症の悪化により病状が重篤化したりする可能性も否定できません。
入居者のほとんどが高齢者である介護施設で感染が広がれば、多くの方の命に関わる問題となり得ます。
大抵の施設では入居可否を判断するために、医師の作成した健康診断書や診療情報提供書が必要になりますが、その情報をもとに感染症の有無のほか健康状態を把握します。
周囲に暴力をふるう・自分を傷つけることがある
介護施設での生活は集団生活になるため、他の入居者への迷惑行為が起こる可能性がある場合には受け入れ拒否となる可能性があります。
たとえば認知症の周辺症状により他者へ暴言・暴力をはたらいてしまう方や、自傷行為がみられる方もいます。
安全に集団生活が送れないと判断されれば、入居を断られてしまうかもしれません。
ただし、施設の特色として認知症の対応に特化している場合や、個室か多床室かによっても受け入れ基準が変わります。
暴言・暴力などの周辺症状がみられる場合でも、必ずしも受け入れ拒否となるとは限りません。
受け入れ拒否をされてしまったら
受け入れ基準は介護施設ごとにさまざまであり、申し込みをしたからといって必ず入居できるとは限りません。
以下、万が一施設側から受け入れ拒否されてしまった場合の対応について説明します。
理由に正当性があるかを確認する
もし介護施設より受け入れ拒否をされたら、受け入れ拒否理由に正当性があるかを確認しましょう。
原因がわかれば、その原因を改善することで再度介護施設に受け入れの判断をしてもらうことも可能です。
たとえば、介護施設側で対応できない医療行為がある場合には、主治医と相談して対応可能な治療方法に切り替えるなどの手段もあります。
このように改善可能なケースもありますので、必ず受け入れ拒否となった原因の確認が必要です。
他の受け入れ先を探す
上記のように、受け入れ拒否の原因を確認しても改善できないケースもあります。
そのような場合には、課題となっている部分の対応が可能な他の介護施設を探すとよいです。
前述しましたが介護施設の受け入れ基準は施設ごとに違います。
申し込み先の施設で受け入れを断られても、別の施設では対応してもらえるケースは少なくありません。
また、医療行為の有無など入居をするにあたり不安要素がある場合には、あらかじめ複数の介護施設を同時に申し込んでおくという方法もあります。