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なぜスマートフォンは大型化するのか
そもそも、なぜスマートフォンは大型化したのでしょうか?
iPhoneの初号機が登場したのは、2007年です。
そのときのディスプレイサイズは、3.5インチでした。
その後、2013年のiPhone5Sまで4インチの画面サイズでしたが、2014年のiPhone6 Plusの登場で5.5インチまで大幅にアップします。
このころはすでにアンドロイドの多くが、5インチ以上のディスプレイサイズを揃えていました。
iPhoneの大型化は、ユーザーの望むものでもありました。
大型化した3つの要因
2014年以降、スマホは大型化の一途をたどり、2020年発売のiPhone12Pro Maxは6.7インチ、AndroidのハイエンドGalaxy Note 20 Ultraは6.9インチです。
もはや6インチくらいでは、小さく感じるほど。
その背景には、3つの要因があります。
- チップの消費電力の増加
- カメラの高性能化
- スマホの動画視聴が習慣化
1. チップの消費電力の増加
1つはチップの消費電力が上がり、バッテリーの大型化が必要になったことです。
チップは年々その性能をアップさせています。
処理能力が向上すると、より多くのエネルギーを必要とします。
バッテリーサイズが小さいままだと、稼働時間が短くなってしまいユーザーから不満が出るため、「バッテリーサイズの増量=大型化」の流れが始まりました。
2. カメラの高性能化
2つは、カメラの高性能化です。
今では複数レンズが当たり前になっていますが、5インチディスプレイ以下のときは、1つのレンズしかついていませんでした。
より美しい画質を求めた結果、超広角や望遠レンズが加わっていきました。
光を取り込むセンサーサイズも大きくなりましたね。
カメラの複数化・センサーサイズの拡大により、ボディサイズ自体も巨大化していったわけです。
3. スマホの動画視聴が習慣化
3つは、サブスクリプション型の動画サービスが定着したことです。
iPhoneの出た当初は、スマホで動画を見る習慣はありませんでした。
それがアマゾンプライムビデオやNetflix、YouTubeが人気になるにつれ、スマホでの動画視聴が当たり前に。
4インチの小さな画面より、6インチ以上の大画面のほうが動画視聴の満足感は上がります。
そうして画面の巨大化がスタンダードになっていきました。
大画面スマホは使いにくい?メリット・デメリットを整理
こうして「なぜスマホは大画面化していったのか」の理由を考えると、大画面スマホのメリットは整理しやすくなります。
そのメリットは、3つにわけられます。
- バッテリーが長持ち
- カメラ性能が良い
- ディスプレイの情報量が多い
1. バッテリーが長持ち
スマホの内部パーツのうち、最も大きいのがバッテリーです。
ボディサイズに比例して、バッテリーは大きくなります。
つまり大画面のスマホになれば、それだけバッテリーの大きさもアップし、稼働時間が伸びていきます。
iPhone12 MiniとiPhone12Pro Maxを比べれば、一目瞭然です。
ビデオ再生時間の比較では、iPhone12 Miniの最大15時間に対し、iPhone12Pro Maxは最大20時間。
5時間もの差があります。
スマホはあらゆることができるだけに、バッテリー切れは死活問題です。
長時間使える大型スマホは、それだけで大きなメリットなのです。
2. カメラ性能が良い
ボディが大きくなると、複数のレンズや大きなセンサーサイズを可能にできます。
小さなスマホでは、これらが物理的に無理なんですね。
再びiPhone12のMiniとMaxの比較をしてみましょう。
カメラ性能を比較したのが、以下の表です。
| Mini | Max |
---|
レンズの種類 | 超広角・広角 | 超広角・広角・望遠 |
Apple ProRaw | 非対応 | 対応 |
手ブレ補正 | 光学式 | センサーシフト光学式 |
ズーム | 最大5倍のデジタルズーム | 2.5倍の光学ズーム、最大12倍のデジタルズーム |
ナイトモードポートレート | 非対応 | 対応 |
Maxには望遠レンズがついているため、より大きく被写体を捉えられます。
センサーサイズはMaxのほうが大きく、ナイトモードで背景をぼかしたポートレート写真も撮れます。
もちろん最新iPhoneだけあってMiniもキレイな写真を撮れますが、より良い写真を撮りたいと思うならMaxを選んだほうが良いです。
3. ディスプレイの情報量が多い
ディスプレイが大きいと、それだけ画面に表示される情報量が多くなります。
スマホで本を読むにしても、WEBで調べ物をするにしても、SNSを見るにしても、小さなスマホに比べ効率よく情報取得できます。
動画視聴も大画面のほうが、満足度は高いです。
YouTubeやNetflixの人気は、スマホの大画面化と相関関係があるはずです。
デメリット
もちろんスマホの大画面化によるデメリットもあります。
大きく分けると、以下の2つ。
- 持ちにくい
- 価格が高い
1. 持ちにくい
デメリットの最たるものは、持ちづらいことです。
6インチ前後のスマホでも、片手操作は困難です。
それがiPhone12Pro Maxの6.7インチなら、何をか言わんやです。
片手操作では、右端のアイコンには指が届きません。
フリック入力も、右端の改行やバックスペースキーにはどうがんばっても届きません。
テキスト入力時は必ず両手持ちになるため、面倒さがつきまといます。
大画面を持つ限り、持ちづらさは受け入れるしかありません。
2. 価格が高い
大画面スマホは価格が高いです。
原価にそれほど違いがないとしても、メーカーがサイズ違いを出すのであれば、大きなものは高い値付けになります。
機能の充実しているハイエンドスマホは、大画面がスタンダードです。
最先端スマホを追い求めるなら、それは価格の高い大画面スマホを使い続けるのと同じ意味となります。
まとめ
ここまで大画面スマホの、メリットとデメリットをまとめてみました。
大画面は調べ物をするにも、動画を見るにしても、満足度が高いです。
「キレイな写真を撮りたい」というニーズにも応えてくれます。
大きなバッテリーは、使っていて安心感を与えてくれます。
ただスマホのトレンドを牽引しているiPhoneが、2021年に5.4インチのMiniを出したのは、トレンドに影響を与えるでしょう。
おそらく他のスマホメーカーも小型サイズをラインナップに加えてくるでしょうし、それが大きな流れになり、スマホはこれから小型化していくかもしれませんね。
以上になります。
この記事が、大画面スマホを検討している人の参考になれば幸いです。
大画面スマホの比較記事
大画面のハイエンドスマホ、iPhone12Pro MaxとOnePlus 8 Proを比較しました。
大画面スマホ選びの参考にしてみてください。
現在では、どちらかというと画面の大きなスマートフォンが主流です。中には6インチを超えるモデルもあり、「フォーン」と「タブレット」を組み合わせた「ファブレット」なる名称もあるぐらいです。タブレットの売れ行きがいまいちという話があるのも、スマートフォンの画面サイズが大型化してきたというのが原因の一つなのかもしれません。
https://active.nikkeibp.co.jp/atclact/active/15/070800078/030800052/
画面サイズが大きいと、表示が見やすくなります。特に、PC用に作られたWebページを拡大せずに見られる、というメリットがあります。画面が大きければタッチ操作がしやすく、タッチキーボードが打ちやすくなります。
本来は、これがタブレットのメリットだったのでしょうが、スマートフォンが大型化することで、その「お株」を奪った感じがあります。
写真なども、画面が大きいほうがよく見えるので、拡大してようやく何の写真なのかが分かるなんてことも少なくなります。
また、画面が大きく解像度が高いスマートフォンは、画面の発色がいいと、写真が「きれい」に見えるため、カメラの性能がいいのだと誤解することがしばしばです。スマートフォンの画面を見て、内蔵カメラを評価しているからです。
そもそも大半のユーザーは、スマートフォンのカメラで撮影した写真を、スマートフォンでしか見ません。中にはPCに転送して見る人もいるかもしれませんが、そういう人でも、写真を最初に見るのはスマートフォンの画面です。だから高解像度で大きな画面、高品位表示が可能なディスプレイは、スマートフォンの内蔵カメラにとって、重要な要素といえます。
ディスプレイパネルが大型化すると必然的に匡体が大きくなり、バッテリーを大きくできるというメリットもあります。バッテリー自体年々進歩していて、同じ体積でも容量が増えています。使い方によっては、本体のみで一日バッテリが持つ機種も登場し、外付けのバッテリーを使う必要が減ってきました。
その半面、大きなスマートフォンをシャツのポケットからの出し入れするのが面倒、ネックストラップで首から下げていると首が疲れるといった話も聞きます。
どんどん小型化されてきた携帯電話
そもそも携帯電話は、「小型化」により進化してきました。かつては、「自動車電話」といわれて持ち歩きが大変で、そのうちに肩掛け式で持ち歩くことが可能になりました。古い映画などを見ると、レンガのように巨大な携帯電話を使っているシーンを見かけます。しかも当時の携帯電話には、通話機能しかありませんでした。