https://hikarinobe.com/contents/curtain-blind-13100
窓まわりには、カーテンやブラインドなどのウィンドウトリートメントが欠かせません。
インテリアに合わせて色や柄をコーディネートするのも楽しいものですが、その前にカーテンとブラインド、どっちがいいのか迷った経験はありませんか?
カーテンもブラインドも窓から入る光や視線を遮る機能は同じですが、形や機能性はまったくの別物。
違いを理解して部屋の用途やインテリア、ライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。
今回は、カーテンとブラインドそれぞれのメリット・デメリットや、お住まいに合ったアイテム選びの方法について説明します。
手軽さが魅力のカーテン
カーテンのメリット
窓まわりで最も人気が高いのは、なんと言ってもカーテンでしょう。
カーテンは、量販店やインテリアショップで容易に入手でき、色や柄のバリエーションも豊富。しかも、リーズナブルなのが最大の魅力です。引っ越したり、模様替えをしたいときにも気軽に取り換えられます。
カーテンレールが取り付けてあるお部屋なら、取り付けも簡単。遮光・遮熱・遮音、UVカットなどの機能を持つ製品も数多く存在します。
お部屋の用途に応じた機能を選べば、快適性を高めるアイテムとしても効果を発揮するでしょう。
今は、家庭用洗濯機で洗える(ウォッシャブル)タイプが多く、お手入れが楽なのもポイントですね。
カーテンのデメリット
カーテンのデメリットは、窓やお部屋を狭く見せてしまうこと。
カーテンは開いたとき、窓の両サイドにまとまる(カーテンだまり)ので、どうしても窓が狭く見えがちになってしまいます。
さらに、一般的なドレープ(ひだ)カーテンは、窓から室内に15cm程度はせり出してしまうので、邪魔だと感じられることもあるかもしれません。
狭い部屋で、窓とベッドや机の間にあまり空間が取れないと、開け閉めもしづらくなります。
また、誰でも簡単に手に入れられる分、ちゃんと採寸しないまま買ってしまうと「大きすぎて見栄えが悪くなってしまった」「天井から床までの長さが足りなかった」といった事態に陥ることも……。
カーテンは布製のため、水を使う部屋には不向きです。結露によってシミができたり、カビが生えてしまう恐れもあります。
スタイリッシュな窓を演出するブラインド
スラットやルーバーと呼ばれる羽根をヒモでつなぎ、開閉させることで、視線や光を遮るのがブラインドです。
オフィスの窓などにもよく使われるベネシャンブラインド(横型)と、バーチカルブラインド(縦型)の2つに大別されます。
ブラインドのメリット
スラットの角度を調整すれば、視線を遮りつつも光や風を室内に取り込めるのが、ブラインドの最大のメリットです。
角度によって、光の入り方や調光も細かくコントロールできます。
カーテンのようなボリューム感がなく、開けた状態でも閉めていてもすっきり見えるので、どんなインテリアにもマッチします。和室でもブラインドを使ったインテリアの事例は少なくありません。
アルミブラインドやウッドブラインド、ファブリック(布)製などのスラットの素材はラインナップも豊富です。アルミなら水まわりでも安心して使えますね!
ブラインドのデメリット
ブラインドは、掃除のしにくさがデメリットだといえるでしょう。
スラットはとてもホコリが溜まりやすい割に分解はできないので、1枚1枚掃除する手間がかかります。
ひもでつながっているので、一気に拭くのもちょっと難しいですね。
もうひとつ、その構造上どうしてもスラットのすき間が多くなってしまうのもブラインドの欠点のひとつです。すき間があると、光を完璧に遮るのは難しくなります。
窓を開けていると、風でスラット同士がぶつかったり、窓枠に当たったりして出る音も、人によっては耳障りかもしれません。
他にもいろいろ、窓まわりを彩るアイテム
ここまで、カーテンとブラインドだけを取り上げてきましたが、それ以外にもさまざまな窓まわりのアイテムが存在します。
ロールスクリーン
ロールスクリーンとは、ロール状の布(スクリーン)を上下させて、視線や光を遮るアイテムです。
完全にスクリーンを巻き取ってしまえば、ブラインド以上にコンパクトになるのが最大のメリットです。目立たず便利で、インテリアの邪魔にもなりません。
窓に取り付ける以外にも、部屋の間仕切りや収納の目隠しにも適しています。
ただし、巻き取りのためにスクリーンを薄くせざるを得ないので、カーテンやブラインドほどの遮光性はありません。
夜などは、室内にいる人のシルエットがスクリーン越しに見えてしまうため、脱衣所などプライバシーを重視すべきところに使うのは避けた方が無難。
むしろ暗くなりがちな廊下の窓など、視線を遮りつつ、ある程度は明るさも欲しいところに向いているアイテムです。
ローマンシェード
カーテンのような布製の生地を、左右ではなく上下に折りたたみながら開閉するのがローマンシェード。カーテンシェードと呼ぶこともあるようです。
窓の両サイドにたまりができないので、小さな窓でもすっきり納まります。
カーテンと同じ生地を使えるものもあり、トータルコーディネートも簡単。大きい窓には向きませんが、カーテンと色や柄を合わせ窓の大きさによって使い分ければ、統一感のあるインテリアに。
フルオープンにすると上に生地のたまりができるので、上部からの圧迫感が出てしまうかもしれません。またカーテンと同じく、水まわりでの使用にも不向きです。
プリーツスクリーン
比較的新しいアイテムで、じゃばら状の生地を折りたたむようにして上下に開閉します。
ブラインドやロールスクリーンのように、とてもコンパクトに納まります。
和紙調のスクリーンを使っているものもあり和室での採用例も多いですが、最近では洋風のスクリーンも増えているため、どんなインテリアにもマッチさせやすくなっています。
スクリーンの断面が、ハチの巣状になっている「ハニカムスクリーン」というタイプも。他のアイテムに比べ、窓との間により大きな空気層ができるため、断熱性も高いと言われています。
熱を遮る効果が高いことは、逆に窓との間で温度差が大きくなることでもあり、窓の結露が起きやすくなる可能性もあります。
カーテンの合う部屋、ブラインドの合う部屋
カーテンにもブラインドにも、それぞれにメリット・デメリットがあります。
メリットだけで選んでも、デメリットの方が強く感じられてしまうこともありますし、デメリットだけにとらわれていても選択肢を狭めるだけ。特徴を理解したうえで選びましょう。
カーテンがおすすめな部屋
カーテンは、ブラインドに比べて視線や光を遮る性能が高いので、寝室のようにプライベートな用途のお部屋に向いています。
近くに幹線道路が通っていたり、深夜でも開いているお店が多いエリアだと、深夜でも光や音が気になりやすいですよね。
ゆっくりと眠りたい方は、遮光タイプや防音タイプのカーテンにしてみるのもいいかも。
広さがあるお部屋なら、カーテンのボリュームもさほど気にならないでしょう。むしろ、カーテンだまりがラグジュアリーな雰囲気を演出してくれます。
また、子ども部屋や小さいお子さまがいるご家庭は、カーテンをおすすめします。
ブラインドやロールスクリーンの開閉用ひもが子どもの首や手に絡まってけがをしたり、ときには死亡する事故も少なくありません。
カーテンは柔らかく、危険な部品・部位がほとんどないため比較的安全です。
ブラインドを使いたい部屋
ブラインドの魅力は、採光や通風が微調整できること。
日当たりのいい部屋なら、夏は強い日差しを遮り、冬は光を取り入れることで快適性がアップします。季節に合わせた日差しのコントロールには、スラットの角度を細かく調整できるブラインドが力を発揮します。
布製のカーテンは、お手入れを怠るとダニの温床になってしまう可能性があります。
ペットを飼っている方、あるいはリビングなど人が集まる部屋だと、カーテンも汚れやすくなるので、室内の空気を汚す原因になることも考えられますね。アレルギー体質の方などは、ブラインドを検討してみましょう。
水がはねやすいキッチン、洗面所でも、ブラインドは汚れを気にすることなく使用できます。木やファブリックは避け、アルミや樹脂など水に強い材質のものを選びましょう。
意外にも、和室にはブラインドが似合います。
日本の伝統的な窓まわりアイテムである「すだれ」も縦型ブラインドのような形状なので、カラーコーディネートに気を付ければ、違和感はほとんどありません。
木や畳と相性のいいナチュラルなアースカラー(グリーンやブラウン)や、ウッドブラインドがおすすめです。
小さな子どもがいるが、ブラインドを使いたい――そんな方は、ひも部分がない・ひものループが小さい・一定以上の重量がかかると外れるセーフティジョイントがついている……など、安全性の高いものを選びましょう。
ロールスクリーンやローマンシェードはどこに使う?
ロールスクリーンやマローンシェード、そしてプリーツスクリーンは、布を畳あげる(もしくは巻き上げる)タイプのため、コンパクトに収まるのが大きなメリットです。意匠性も高いため、比較的小さい窓のポイントとして使うと相性もよく使いやすいです。
また、布部分を下ろすと一枚のフラットな布になり、そのデザインの数もさまざま。まるで絵画を飾るような、おしゃれインテリア感覚で使うこともできます。
ただし、布の両脇から光が漏れやすいため、寝室には不向きです。
窓を外から飾るアイテム
よく晴れて、強い日差しが降り注ぐ日は夏らしいですが、日焼けも気になります。何よりも暑さが増すのはいやですよね。
夏の窓まわりの工夫として、窓の外側に取り付けるアイテムにも目を向けてみましょう。
ここ数年増えているのが、ベランダやデッキに面した窓に取り付ける「シェード」です。夏はシェードを引き出しておけば、強い日差しをカットして室内の温度上昇を抑えてくれます。
ベランダやデッキが直射日光で高温になるのを防ぎ、おしゃれな印象にもなるため、ベランダを暮らしの場として活用したい人にもおすすめです。
※マンションの場合、緊急時の避難経路や外観への影響から使用が禁止されている場合があります。必ず規約をチェックしてください。
手軽さでいえば、すだれもおすすめ。価格が安く、ホームセンターやスーパーで手に入ることもあります。軽いので、取り付けも自分で楽にできますね。
室内のカーテンやブラインド、スクリーンと合わせて使うことで、暑い夏でもより快適に過ごせるかも。
窓まわりはインテリアの大切なポイントであり、同時に住まいの快適性を左右する場所でもあります。
両立は簡単なことではありませんが、ぜひお気に入りの窓まわりアイテムを見つけ、理想のお部屋作りにトライしてみてください。