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ウェイネルのMILU日記
タイトル 「五輪不況」でボロボロのブラジル、日本も他人事ではない理由   おすすめ(12) 2021-08-03 09:32:41

https://diamond.jp/articles/-/179656

リオ市民を激怒させた、ブラジル国立博物館の火災。リオ五輪で財政難となったため、必要な消火設備の整備などを怠ったとされている。これは日本も対岸の火事ではない。実は、五輪景気で潤うのは開催されるまで。開催後は不景気に陥るというのは、過去の開催地の例を見ても「常識」なのだ。(ノンフィクションライター 窪田順生)

五輪のせいで財政難…
ブラジルの博物館火災のお粗末

五輪不況が「人類の宝」焼失の引き金に――ブラジル国民の怒りは、2年後の東京五輪開催を控える日本人にとって、決して他人事ではない Photo:AFP/AFLO

 先日、地球の裏側から、なんともやりきれないニュースが届けられた。リオデジャネイロのブラジル国立博物館で火災が発生して、200年の歴史ある建造物だけではなく、2000万点を超える収蔵品の約9割が全焼してしまったのである。

 灰となったものの一例を挙げていくと、南米大陸で発掘された最古の人類化石、エジプトのミイラ、コロンブスが来る以前の南米古代文明のミイラ、さらには噴火で一瞬でなくなった古代都市・ポンペイのフレスコ画などがある。つまり、「人類の宝」ともいうべき世界的な文化財がパアとなったのだ。

 やりきれないのはそれだけではない。実はこの博物館、現地ではかねてから火災の危険性が指摘され、多くの人がスプリンクラーなどの消火設備をつけるべきと訴えていた。だが、ブラジル政府が財政難を理由に科学分野の予算をザックリ削ったことで、「放置」されてきたのだ。

 今回の悲劇については、ブラジル国民の間から、「五輪が悪い」という声がチラホラと出て抗議デモにまで発展している。

 消火栓が作動しなかったのは、国に輪をかけて財政が厳しいリオ州がメンテナンス費を削ったからなのだが、一部市民から、このリオ州の苦境を招いたのが、2016年のリオ五輪のせいだと指摘されている。

 つまり、2年後に五輪開催を控える日本にとって、これは決して「対岸の火事」ではないのだ。

五輪不況が「人類の宝」焼失の引き金に――ブラジル国民の怒りは、2年後の東京五輪開催を控える日本人にとって、決して他人事ではないのだ。

五輪向けのインフラ投資が元凶で
不況に喘ぐブラジル国民

「おいおい、博物館に予算がつけられないほど財政難の国と、世界が憧れる経済大国ニッポンでは全く事情が違うだろ」というお叱りが飛んできそうだ。確かに、ブラジルで起きたことが、そのまんま日本で起きるとは考えにくい。だが、我々日本もブラジルのように、何かしらの大切なものを失う恐れがある、ということが申し上げたいのだ。

 いったいどういうことかを分かっていただくには、まず、なぜそこまでブラジルの人たちが「五輪」を目の敵にしているのかを知っていただく必要がある。

 日本人のほとんどは「五輪」と聞くと、スポーツ振興、インバウンド、震災復興、日本人の心が一つになる機会――などなど、ありとあらゆる良いことの「起爆剤」になるハッピーなものという印象を抱いているが、前回の開催地の人たちからすれば、「不況の起爆剤」というイメージの方が強い。

「五輪に向けた多額のインフラ投資により、基礎的財政収支は12年から赤字に転落。長期負債は16年時点で1080億レアル(約3.5兆円)に達した」(日本経済新聞2018年2月19日)

 州財政をここまで悪化させて建設したのが、競技場やオリンピックパークという「五輪インフラ」。五輪から2年が経った今、熱狂に沸いたサッカースタジアムは廃墟化し、メイン会場のオリンピックパークも閑散としている。膨大な維持費を食う「負の遺産」になってしまったのだ。

 “金食い虫”を抱えて財政難に苦しむとなれば、「本当に社会に必要なインフラ」の投資が削られるのは時間の問題だ。ブラジルでは、博物館付近の消火栓はもちろん、「治安」に対する投資まで削られてしまっている。

 警察官への給料遅配が常態化して、パトカーや警察備品にも金が回らなくなったことで、治安が急速に悪化。殺人件数は2012年まで減少していたが、五輪インフラへの投資が始まった以降、再び悪化に転じている。こうなれば、消費も冷え込むし、企業業績も悪化する。完全に負のスパイラルに陥ってしまったところにトドメを刺したのが、今回の国立博物館の火災だったのだ


五輪はハコモノ公共事業と一緒
好景気は完成までしか持たない

 こういう話を聞くと、「ブラジルはもともと景気が悪かった、なんでもかんでも五輪のせいにするのは暴論だ」と口を尖らせる人がいるので、断っておくと、筆者も五輪がすべて悪いなどと言いたいわけではない。

 五輪が国家の威信を世界に示し、国民には夢と希望を与えるのは紛れもない事実だ。が、それと引き換えに、「不況のトリガー」にもなり得ると申し上げているのだ。

 1988年の韓国・ソウル、1992年のスペイン・バルセロナ、2000年のオーストラリア・シドニー、2004年のギリシャ・アテネ、2008年の中国・北京、そして2016年のリオなど、過去の開催地を見れば、五輪後に成長率が悪化している国が圧倒的に多いのは紛れもない事実だ。日本人の多くが、「日本成功物語」の中で必ず誇らしげに語る1964年の東京五輪でさえ、翌年には不況が訪れている。

 また、2024年大会の開催地レースで、ローマ、ハンブルグ、ブタベストという大都市が相次いで辞退をしたことからも分かるように、世界的には「五輪」というのは、市民に重い負担を強いる「金食いイベント」というのが常識となっている。

 これは冷静に考えれば当たり前だ。いくらIOC(国際オリンピック委員会)に大企業のスポンサーがつこうとも、開催地にとっては、税金を投入した「公共事業」以外の何ものでもない。

 日本中にできたハコモノ公共事業を見てもわかるように、地域が潤うのは建設までで、出来上がってしまえば、毎年膨大な維持費を垂れ流す「負の遺産」となって、市民を苦しめる。五輪も同様で、開催までは企業の投資や市民の消費は促進されるが、そのバブルは五輪開催とともにジ・エンド、というのは中学生でも分かる。

「いや、だからそうならないようにレガシーとして有効活用してだな」と五輪関係者は熱弁を振るうが、事実としてこれまで、ほとんどうまくいった試しがない。

東京2020で新設の6レガシー中
5施設で赤字運営が見込まれている

 例えば、1998年の長野五輪でもさまざまな施設が建設された。その中の一つが「ボブスレー・リュージュパーク」(通称・スパイラル)だ。

 施設維持費が年間2億2000万という割に、利用者は見学者含めて年間6300人で、利用者収入は、たった700万円(2015年度)。「長野冬季五輪で建設された施設の多くは赤字だが、スパイラルの赤字は突出」(日本経済新聞2016年11月26日)していたため、今年度からついに競技施設としては休止に追い込まれた。

 実はこうなることは、初めから分かっていた。1972年に開催された札幌五輪の時につくられたボブスレー施設も、赤字がかさんで2000年に閉鎖されているからだ。

 こういう過去があるにもかかわらず、同じ過ちを、これまでと比べものにならないほど巨額のカネをかけて繰り返そうとしているのが、「東京2020」である。都がつくる競技施設の6つのレガシーのうち、なんと5つについて、赤字運営が予想されているのだ。

 例えば、もともと既存の「東京辰巳国際水泳場」でやるはずだった水泳は、競技団体が、観客席が少ないと言い出して、567億をかけてアクアティクスセンターをつくることとなった。都の説明では、素晴らしいレガシーになるはずだが、試算では年間6億3800万の赤字を垂れ流す。

 宮城でやるとかやらないとか、すったもんだがあったボート、カヌーも結局、308億かけて「海の森水上競技場」がつくられる。こちらのレガシーは年間1億5800万の赤字だ。

 こういう話をすると、「こいつはアスリートファーストじゃない」「スポーツ振興のためには必要な出費だ」などと怒られるのだが、日本の出生率が5くらいあって、人口が右肩上がりで増えていくのなら、ジャンジャンこういう施設をつくればいいと思っている。

 ただ、残念ながら日本は急速に人口が減っていく。ということは、自治体の財政も急速に厳しくなっていくということだ。

「だからこそ、スポーツの力で頑張ろう」と盛り上がる人も多いかもしれないが、限りある財政をスポーツインフラだけに突っ込んでしまうと、「本当に社会に必要なインフラ」に対して金が回らなくなって、我々がこれまで想像していなかったような「悲劇」を引き起こす恐れがある。

 それこそが、筆者がブラジル国立博物館の火災を「対岸の火事」ではないと言った理由だ。

スポーツの赤字は
文化予算削減で穴埋め!?

 では、日本では2020年の五輪後にどんな「悲劇」が起きるのか。さすがにレガシーがいくら赤字を垂れ流そうとも、消火栓が使えなくなるようなことはないだろう。また、政治家は選挙があるので、医療、福祉、子育て支援などは手がつけにくい。一方で、「票田」にならない生活保護・貧困対策等は容赦なく削ることができるが、あまり露骨だと叩かれる。

 そうなると真っ先に削られる可能性が高いのは「文化振興」だ。スポーツ振興に金をつぎ込むのだから、似たようなところからぶんどってくる、というのは自然な発想だ。具体的には、「五輪不況」によって、自治体が管理していた有形・無形の文化財などの保護予算が一気に削られるのではないか。

 なんてことを言うと、「なあんだ、それくらい全然悲劇じゃないじゃん」と言う人がいるが、先ほどの博物館火災と一緒で、これは「日本人の歴史」を失うことと同じ意味だ。

 すでに日本各地で、こうした文化財がひっそり姿を消している。たとえばSL。明治期から昭和という日本の近代化を支えた蒸気機関車のことだが、これまでは全国の自治体が公立公園や市役所前などで保存に務めていた。皆さんも、子供の時にSLのある公園で遊んだことがあることだろう。

 しかし、近年はこのSLがスクラップにされている。展示SLを解体した福岡県行橋市の市教育文化課の担当者の方の言い分を紹介した記事を引用させていただこう。

《「活用の見込みがないので予算化できない」(市教委文化課)。見学者が少なく、「コストのわりに効果がない」という》(朝日新聞 2016年10月19日)

 まさしく「負のレガシー」となっているのだ。このような現状が、「五輪不況」でさらに加速していくというのは、容易に想像できよう。


五輪の名の下で
文化財が消滅していく

 多額のインフラ投資と人口減のダブルパンチで財政が悪化していけば、さまざまな文化財が経費削減の対象になるだろう。「五輪不況」の影響がじわじわと出てくる2022年あたりから、東京はもちろん、さまざまな自治体に残された神社仏閣、遺跡、古民家、伝統文化等のメンテナンス費用が削られて、消滅していくのだ。

 そんなのはお前の妄想だと言う人がいるが、これも先ほどの五輪施設と同じで、過去に実際に起きている。日本人は1964年を境に、経済も文化も発展するなど素晴らしいことが起きたと思い込んでいるが、全く逆の側面もある。

 例えば、東京はロンドン、パリなどと並ぶ長い歴史を誇る都市だが、歴史的な街並みはほとんど残っていない。日本を訪れた外国人観光客がガッカリする理由のひとつだ。

「それは東京大空襲で焼け野原になったから」と思うかもしれないが、そんなことはなく、1964年まではそれなりに江戸の面影は残っていた。五輪のインフラ建設ラッシュによって、今の感覚では残すべきと判断されるような歴史的建築物や伝統文化が次々と破壊されてしまったのだ。

 その象徴が、五輪の1ヵ月前に惜しまれつつ消えた「佃の渡し」だ。佃島と銀座を結ぶ隅田川の渡し船は、江戸時代から続く庶民の足だった。今に残っていれば、イタリア・ヴェニスのゴンドラのように、外国人観光客が多く訪れ、江戸文化を後世に伝える風景となったはずだが、道路が整備されたという理由で消滅したのである。

 古いものをすべて残せなどど言っているわけではない。

 しかし、暴力指導のコーチも、五輪を目指す女子選手が「信頼している」とかばうと何やらセーフっぽくなったように、日本は「五輪のため」という言葉を持ち出すと、なんでも許されるムードがある。「五輪インフラ」を建設するため、長い目で見ると日本の価値を上げていく文化や伝統がいともたやすく見捨てられる怖さがある、と申し上げているのだ。

 2020年の東京五輪では、一体どんな文化が消えていくのか。予算削減の矛先が向かうのが「日本人の宝」ではないことを祈りたい。


カテゴリ:その他 > その他
コメント(13)
yともy 2021-08-03 03:02:22  
日本人はそんなに弱くないで^^
ラジコン 2021-08-03 05:24:56  
そぉーにゃんですにゃあ!!(=^・・^=)
2021-08-03 05:26:58  
アフター五輪はきっと大変なことになってそうですねΣ(゚Д゚;≡;゚д゚)
takky10 2021-08-03 06:25:30  
( ..)φメモメモ
oki32 2021-08-03 06:48:31  
勿体ないですね。」
yあいy 2021-08-03 09:25:31  
どうなんだろう・・ねーーー!
シャッポ団長 2021-08-03 09:53:33  
一体どうなることやら?(´-`).。o
oldlonlywolf 2021-08-03 10:44:33  
静観っすね(-_-;)
NORITA 2021-08-03 11:18:43  
国民の反対を押し切って開催したのだから責任とってもらえるでしょうねぇー???
2021-08-03 11:38:53  
コロナとのダブルパンチでなかなかしんどいですよね(´;ω;`)
めぐ02 2021-08-03 15:20:45  
これからどのように日本がかかわって行くのか・・・コロナが沈静化するかがカギだとおもう( ー`дー´)キリッ
まっ黒くろすけ 2021-08-03 15:29:42  
やれ経済効果だの復興支援だのって選挙の手段にしたり放送利権や建設利権
利権 利権 利権だらけのオリンピック やめちゃえば良いんですよ
tera 2021-08-04 01:23:04  
五輪不況・・・ただでさえコロナ不況が起きてるのに・・
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