https://news.yahoo.co.jp/articles/c52edf9f5f8540272a95bd2e68c44e455d060439
ドンキから4万円台で発売
最近何かと話題に上がる小型電動モビリティ。その中でも特に人気なのが電動キックボードです。
大手通販サイトから大手量販店まで様々な店舗で販売されています。直近ではドン・キホーテから公道走行可能な電動キックボードが4万円台で発売され話題となりました。
そんな電動キックボードですが、4月15日には警視庁の有識者委員会にて規制緩和に向けた中間報告が発表され、近い将来に特定条件下において免許やナンバープレートが不要になる可能性が出てきました。それに伴い、「新事業特例制度」の認可を受けた企業によるシェア電動キックボードでは、道路交通法上の扱いが「小型特殊自動車」となり、「ヘルメット着用が任意」、「最高速度は時速15km」と条件がかなり緩和。現在行われている実証実験は2021年10月まで行われる予定となっています。
法律では原付と同じ扱い
こういった実証実験等を踏まえ、新ルールでは時速15km以下の「小型低速車」「免許不要」「ヘルメットの任意化」など有識者委員会にて様々な案が出されており、近い将来誰しもが気軽に乗れる小型電動モビリティとして活用される未来が見えてきました。
とはいえ今現在の法律では、電動キックボードで公道走行をする際には運転免許証やナンバーと言った原動機付自転車と同等の設備が必要となっています。
法律に則って登録申請を行えば、規制緩和より一足先に小型電動モビリティを体験できるということもあり、実際に登録申請をおこない1ヶ月ほど乗ってみたので実際の流れを紹介していこうと思います。
ちなみに公道走行可能な電動キックボードはドン・キホーテから販売されている様な電動キックボードだけが対象と言う訳ではありません。原付登録が出来るように保安部品を備えた車両なら区市町村にて登録が可能となっています。
ナンバー取得からの流れを紹介
ナンバー取得にあたって具体的に必要なものは、
・速度計
・ヘッドライト
・テールランプ
・ブレーキランプ
・ウインカー
・リフレクター
・ナンバー灯
・ミラー
・警報機
ただし最高速が20km/h未満の場合には、速度計、ウインカー、テールランプ、ブレーキランプが不要となります。電動キックボードを公道走行可能なカスタムをする際には上記した保安部品を念頭に置いておきましょう。
今回筆者が用意した電動キックボード「MEGAWHEELS」は実測最大時速20km。標準装備でヘッドライト、テールランプ、ブレーキランプがすでに搭載されているので残りは、ミラー、警報機、リフレクター、ナンバー灯となります。まずはこの部品を電動キックボードに取り付け、ナンバー申請が可能な状態にします。
販売証明書が一番のネック
忘れてはいけないのが書類登録の際の車体番号。激安車両などでは車体番号や製造番号といった物は搭載されていませんが、「MEGAWHEELS」には車体番号が刻印されているので、販売店に販売証明書を発行して貰う事が可能となります。電動キックボードのナンバー取得に関して一番のネックとなるのがこの販売証明書です。
区市町村の地域によっては車体番号の写しがあれば登録が可能なこともありますが、基本的には販売証明書が必要となります。
ナンバー申請が済んだら次は自賠責保険です。
最近ではコンビニエンスストアなどで登録できるのでハンバー発行され次第、自賠責を取得すると良いでしょう。金額は原付基準なので、12か月7070円、24か月8850円。60か月加入しても13980円なので長期間加入したほうがお得です。途中で乗らなくなった場合には自賠責保険は解約して月割りで返金されるので60か月入れておくとよいでしょう。
さて実際に電動キックボードのナンバーを取得し、一ヶ月ほど公道走行で運用してみた訳ですが、実際に乗ってみるとメリットもデメリットも色々と見えてきました。
小型ゆえの取り回しの良さがメリット
メリットはやはり、小型電動モビリティゆえの取り回しの良さ。電車移動の際にも駅まで電動キックボードで移動し、折りたたんだらそのまま電車に乗って移動や車のトランクに入れ、出先で使うなんてことも可能。自宅から大きく離れた距離へ行く際に使いやすいのは最大のメリットでしょう。また折り畳むことで省スペースになり、保管場所を考える必要もなくなるのが良いです。
デメリットはと言うと、最大の障害になるのが日本の道路事情。サスペンションを搭載した10インチタイヤの原付でも道路端の凹凸は運転時に振動が来る。サスペンションもなく、更に小さい電動キックボードではやはり路面の凹凸を超えることは厳しく、避け続けなければなりません。傍から見ると蛇行運転しているようにも見えてしまうでしょう。
第一走行帯の左側をキープして走る必要があるとはいえ、大型幹線道路では横を60km/h近くで大型車なども通り過ぎていく。この様な状況では危なすぎて乗るよりも歩道を押して歩いたほうが安全でした。生活道路などの小さな道では、大型車も少なく速度も出ていないので比較的安全に乗れたことは付け加えておきます。
日本国内では今後、免許やヘルメットが不要といった形で電動キックボードに乗る事が可能な方向に向かっているようだが、お隣韓国では逆に免許やヘルメットが必須になったとも聞きます。セグウェイから20年。ようやく日本でも小型モビリティ活用の兆しが見えてきている現状。無法地帯にならないように正しく安全に運用されることを期待しています。