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「中国ではスマホ決済が広く普及している、
対して日本は全然…」という報道がされています。
しかし、スマホ決済ってスマホでピっとするだけですし、
安全面は大丈夫なのか疑問に思いませんか?
本当にスマホ決済は安全かどうか、
またスマホ決済ってどんなものなのか解説していきます。
キャリア決済と端末・POS決済の2種類がある
スマホ決済とは言っても種類は大きく分けて2つあります。
ひとつは有料アプリの購入やサービス料の支払いなどに使われる「キャリア決済」。
もうひとつは実際の店舗で専用の端末にスマホをかざしたり、QRコードを読み込ませて決済する「端末・POS決済」の2種類です。
キャリア決済は使っている人も少なくないかと思いますが、これはスマホの毎月の使用料と一緒に料金が請求される支払いシステムになっています。クレジットカード一括払いのような感じです。
端末・POS決済とは?
スマホに登録されているクレジットカードで支払ったり、Suicaのようなあらかじめチャージされているお金から支払う形が主流です。おサイフケータイを想像すると分かりやすいかと思います。
日本政府としても導入を後押ししている
2020年の東京オリンピック開催に向けて、日本政府はスマホ決済の導入を推し進めています。
海外の方は現金の支払いよりもクレジットカードで支払う機会が多いため、多くのお店でカードを使えるようにスマホ決済でクレジットカードが使えないかと画策している話もあります。
お店側の導入もそこまで難しくないし、システムの導入費用もクレジットカードと比べて安いので、政府としても力を入れたいって感じでしょうか。
日本ではキャリア決済はぼちぼち使われているが、店舗でのスマホ決済はほとんど普及していない
日本でのスマホ決済の利用率はおよそ6%となっていて、ほとんど使われていないのが現状です。
月額課金のサービス料やスマホアプリでの決済で「キャリア決済」を利用することはありますが、お店でスマホ決済するケースはほとんどありません。
というのもスマホ決済よりもSuicaなどのICカードを利用して「電子マネー」による支払いが広く普及していることが要因としてあります。
参考:http://www.boj.or.jp
電子マネーでの支払いは電車やバスなどの運賃、コンビニやスーパーでの支払いなど様々な場面で利用することができますし、煩わしい設定も必要ありません。
ICカードを買ってチャージするだけで使えますし、簡単ですよね。
一方スマホ決済は専用アプリをダウンロード、設定が面倒で難しいことが普及の妨げになっているようですね。スマホの買い替えをするときも面倒な手続きもネックだったりします。
アメリカ、ドイツなどではそこまで普及していない
海外を見てみてもアメリカ・ドイツの普及率も5~6%と日本と変わらずそこまで普及していません。
海外ではスマホ決済よりもクレジットカードによる決済が主流ですし、今更スマホ決済に切り替える必要もないということでしょう。
そのため、海外の人が日本に旅行する際にクレジットカードが使えない店が多く不便だという声も少なくありません。
一方、中国では98%の普及率
中国などの今まで現金以外での支払いシステムが整っていなかった新興国・途上国ではスマホ決済の普及率がかなり高くなっています。
中国でのスマホ決済普及率は98%となっていて、かなりメジャーなものとなっています。
実際、導入が簡単かつ安いため、露店でもスマホ決済が使えるところも多く、中国ではスマホで決済することは「当たり前」という感じになっています。
スマホ決済やクレジットカードなど、国ごとの支払い文化の違いは、いろんな支払いシステムの導入時期や文化の違いによって、支払のカタチが国ごとで変わっていったという感じですね。
スマホ決済のメリット
お店側のスマホ決済導入の手間や費用があまり掛からない
中国では露店でも導入できるほどですから、お店側がスマホ決済導入のハードルはそこまで高くありません。
現金以外で支払いができるシステムを短期間に広く普及させることも可能でしょう。
消費者も気軽に使える
物を買う側もアプリを起動させて、QRコードを読み込んだり、おサイフケータイをかざすだけなので、わざわざ財布を出さずに支払えるので気軽に使うことができます。
お釣りがないため釣銭のトラブルがなくなり、待ち時間も短縮される
支払いは自動的に行われるためお釣りが違った等のトラブルも防げますし、お金をやり取りする時間も減るので、お店側としても利用者側としても便利なシステムと言えます。
支払いのために待つ時間も短くなりますし、これはなかなか嬉しいことです!
スマホ決済のデメリット
セキュリティの問題が不安
やはりスマホ決済で一番気になるところは、セキュリティの問題がではないでしょうか。
スマホにクレジットカードやウォレットのデータが入っているため、ウイルスに感染してしまった場合やハッキングされた場合、他人が不正に自分のスマホから商品を買ってしまうこともあり得ます。
日本の現状のスマホ決済は使いづらい
現状の日本のスマホ決済は「Apple Pay」や「楽天ペイ」、「おサイフケータイ」などのサービスがあります。
しかし、そういったサービスはあるものの、設定方法や対応している店舗が少なく、使おうと思っても使えない店舗が多い現状があります。
おサイフケータイに電子マネーとして登録するすれば使える場所も多いですが、機種変更時のおサイフケータイの引継ぎがちょっと厄介で、機種変更前に引き継ぎ操作をしなければいけないケースもあるのでなかなか難しいところです。
しかも使う電子マネーによって引継ぎ方法も異なりますので、敷居が高いサービスとなっています。
結論から言うと、スマホ決済はまだまだ安全とは言えない
前項でお話した通り、スマホに対してウイルスやハッキングなどの被害に遭った際、他人に自分のお金が使われる危険性もありますし、更に盗難に遭った場合のリスクもあります。
またスマホ決済が広く普及している中国では、AIによる不正使用の監視システムが導入されていますが、システムの穴を縫った詐欺事件も発生しており、安全性には疑問が残ります。
対策を施してもその対策を研究されて別のセキュリティの穴を付かれる「イタチごっこ」になる
もちろん事件が起こる度に不正使用に対する対策が取られ改善されていきますが、その対策を研究してセキュリティの穴を見つけてそこを突いて悪事を働く人も出てきます。
ウイルス対策と同じようにどうしてもイタチごっこはどうしても起きてしまうので、「絶対に安全」とは言い難いのです。
ましてや、スマホの自体のセキュリティ対策もしっかりしないと、被害に遭う可能性も高くなります。
利用者のセキュリティ対策が甘いと更に被害に遭う確率は高くなる
スマホ決済を利用するときは利用者自身もしっかりセキュリティ対策をしなければいけません。
何度かウイルス対策アプリを導入したり、本人確認のパスワードも分かりやすいものにしないようにしたり…など対策するにはそれなりの知識が必要になります。
詳しい人はちゃちゃっとやってしまいますが、慣れない人だとその辺の対策は難しいものがありますし、敷居が高くなります。
スマホのセキュリティ対策は有料のアプリを使った方がいいのですが、
一応無料でも行うことができます。
方法とおすすめアプリはこちらの記事で紹介していますので、併せて参考にしてみてください。
⇒スマホが重い…もしかしてウイルス?無料でウイルスチェックする方法
⇒スマホが紛失・盗難に遭う前にやっておきたい対策
スマホ決済を使うならチャージする金額を少なくし、クレジットカード類を登録しないようにする
現状でスマホ決済を安全に使う場合、チャージ金額は少なめに。そして、クレジットカードを連携させる使い方は避けた方がいいでしょう。
というのも、大金をスマホ決済で使えるようにすると被害に遭った場合のダメージを最小限にできますし、犯行のターゲットになりにくくもなります。
わざわざ危険を冒してまで少額のターゲットを狙う物好きな犯人もいないでしょうしねw
スマホ決済は便利な半面、
まだまだ新しいシステムであるがために
安全性が確立されていません。
先進国でスマホ決済が普及していない背景には
こういったセキュリティなどの問題があるからかもしれませんね。
いくら新しい便利な技術だからといって扱うものがお金ですから、
利用するかどうかは慎重に見極めたいところです。
もし、スマホ決済を使うとすれば以下のことに注意しましょう。
- 電子マネー類を連携させてスマホ決済を行う(クレジットカードは連携させない)
- チャージする金額は少な目にする
- スマホのセキュリティ対策はきっちり行う
セキュリティ面にまだまだ難があるスマホ決済ですが、
しっかり安全性が確保されれば便利ですし、
これからに期待したい技術ということには変わりありません。
日本で広く普及させるためにも
安全性の高いシステムができることを楽しみにしておきましょう。