TV番組『ビートたけしの奇跡体験アンビリバボー』で紹介された話を2つ。
❶花魁淵(おいらんぶち)の怨霊
場所:山梨県の五十人淵
戦国大名の武田勝頼は、軍資金を獲得する為に配下に置いた金山衆(鉱夫)を慰安させる為に、遊女を雇っていたそうです。
しかし、金山に関する情報を暴露されては困るからと、用済みになった遊女達を山岳部へ呼んで崖へ突き落して殺したそうです。
遊女の大半は転落で即死、近隣の村人達に手厚く葬られたそうですが、数名は受け身が取れたのか、負傷しながらも無事に逃げ延びたそうです。
それに気づいた勝頼は領国の村人達に『遊女を庇ったら死刑』と通達を出しました。
遊女の生き残りは怪我をした体を引きずりながらも村人達に『助けて欲しい。』と頼みましたが、村人達は『こっちが死刑になるから帰ってくれ。』と止む無く突き放しました。
それに怒った遊女達は『末代まで祟ってやる。』と捨て台詞を残して立ち去り、翌朝に傷が悪化して死亡したそうです。
以降、事件が起きた場所では、度々遊女の幽霊が目撃されてるそうです。
※これを見た所ジョージさんや関根勤さん達タレントからは『(上述の通り)村人達に手厚く供養して貰ってるのに、勝頼ではなく立場の弱かった村人達を恨むとは何事か。』と非難されてます。
➋累ヶ淵(かさねがぶち)の怨霊
場所:茨城県の鬼怒川
きっかけは江戸前期に起きた殺人事件です。当時、与右衛門・お杉という農民夫婦がいました。
お杉の連れ子・助は顔半分が爛(ただ)れ足も不自由だった為、義父に嫌われてました。
お杉と与右衛門は邪魔になった助を川で溺死させたばかりか、事もあろうに後日、累(るい)という娘を設けました。
しかし、累は面識のない異父兄の助と同じく顔の半分が爛れていたのか、村人達は助の祟りと噂し『助が重ねて妹に転生した。』として(るい)ではなく(かさね)と呼んだそうです。
※当時の日本人は我が子を見限り次第、捨てたり殺したりするなどしていたそうです。
両親の死後、累は遺産である土地を目当てに近づいてきた谷五郎と結婚するも、兄と同じく川で溺死させられたそうです。
こうして妻の土地を奪った谷五郎は数名の女性と結婚するも、なぜか相次いで死別され、6人目の妻との間にお菊という娘をやっと設けたそうです。
ある日、谷五郎はお菊の前でつい累の名前を呟いてしまい『誰の事か?』と問われたので、『最初の妻だ。』と答えましたが、脚色もして『悪女だった。』と誇張しました。
その直後に累の亡霊はお菊に憑依し、谷五郎の非道を語りながら供養を求めてきました。間もなく隣の村の僧侶が来て累を成仏させましたが、今度は助の亡霊がお菊に憑依し『自分も憎い妹を祟っていた。』と訴えてきたので、僧侶は彼も成仏させました。
後年、助・累・お菊を弔った法蔵寺は指定文化財となっているそうです。