
茜色
あかねさす紫野行き
標野行き
野守は見ずや君が袖振る
あかねさす むらさきのゆき
しめのゆき
のもりはみずや きみがそでふる
今は天智天皇と付き合っているけれど、
大海人皇子は、実はまだ私に気があって、
彼は袖を振って好きだと伝えてくるわ。
そんなあちこちで袖を振っていたら、
見張りの人がこれをみて、
秘めた恋がばれてしまうじゃないの。
大海人皇子は、この句を聞いて、歌を返します。
紫草のにほへる妹を
憎くあらば
人妻ゆゑに我恋ひめやも
美しいあなたは私の妻ではなく、
もう違う人(天智天皇)の妻である。
別れたあなたのことを未だに嫌だと思っていたら、
あなたのことを恋しく思うことはないでしょう。
しかし、人妻であるあなたのことを未だに恋しく思うのは、
あなたのことを嫌ってはいないからです。
もちろんこれも宴会の席でのネタです。
ちなみにこの宴会には、天智天皇もいたとされています。
今の旦那さんの前で、
このように昔の関係をネタにできるというところに、
三人の信頼関係を感じることができますね。
因みに私の名前はこの和歌から
頂いたと言う事です